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科学世紀の少年少女

夢違科学世紀 ~ Changeability of Strange Dream. より

「これが、紅いお屋敷で頂いたクッキーと、竹林で拾ってきた天然の筍よ」
「うん?夢の話じゃなかったの?メリー」
 さっきから私の夢の話を聴いて貰っているのは、宇佐見蓮子。
二人しかいないサークルメンバーのもう一人よ。
サークル活動の殆どは彼女の行動力から生み出されるわ。
蓮子は、空を見るといま立っている場所と時間が判るんだってさ。
気持ち悪い。

 ちなみに蓮子は私の事をメリーと呼ぶの。
この国の人には名前は発音しにくいらしいわ。
もう私の本名も忘れてるんじゃないかしら?

「夢の話よ。さっきからそういってるじゃないの」
「……夢の話なのに、何でその夢の中の物が現実に出てくるの?」
「だから、貴方に相談してるのよ」

 私には、何が現で何が夢なのか判らなくなってきたの。
いつも見る夢は大抵妖怪に追われたりして終わるわ。悪夢と言えば悪夢なんだけど……。
でも夢の中の物をいつの間にか持っていたりして、もしかしたら今こうやって話している事が夢なのかもしれない……。

「教えてあげるよメリー。それはもうすでに筍じゃないわ。
そこまで成長したらもう堅くて食べられやしない」
 でも悪夢を吉夢に変えられるとしたら、今の現実より……。
「天然の筍はね、美味しい時は土の下に隠れて身を守っているのよ」



















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